白内障について

当院の白内障手術の特徴

特徴1:経験豊富な医師による手術

当院の院長は2014年より現在まで、2022年多焦点眼内レンズ手術実績日本一の「鈴木眼科グループ」戸塚駅鈴木眼科でフェムトセカンドレーザーを使用した多焦点白内障手術の執刀医として、また同グループ鎌倉小町通り眼科でも単焦点・多焦点眼内レンズの白内障手術の執刀医として招聘されており、豊富な手術経験を誇っております。

特徴2:正確な検査

白内障手術を正確に・安全に行うためには、眼科基本検査と白内障術前検査、術中の屈折誤差をチェックすることがとても重要です。当院では、最先端の検査機器を導入し、正確な検査を実施することに注力しております。

特徴3:術後の見え方の質を左右する手術機器の導入

当院の白内障手術は、ARGOS(術前検査・術中イメージガイダンス)のデータを手術顕微鏡に投影し、術中にORAシステムを使用してリアルタイムで屈折値を解析して予期せぬ屈折誤差を軽減します。また、センチュリオン(低侵襲白内障手術機器)で患者様に負担が少ない、正確な白内障手術を実施しております。これらの機器の連携により手術精度が高まり、術後の『見え方の質』を向上させます。

特徴4:患者様への丁寧な説明

当院の白内障手術の特徴患者様が安心して手術を受けられるように、検査結果の説明、手術概要・手術当日の説明、患者様の疑問点について、スタッフ一同丁寧にご説明させていただきます。

目の仕組みについて
白内障とは?

目から入ってきた光は、角膜と水晶体というレンズを通過した後に屈折し、網膜にピントを合わせて像を結ばせます。網膜はその光信号を電気信号に変えて、それを視神経へ通していきます。その結果、脳に信号が届き、画像・映像として認識されるのです。
白内障はこの目の仕組みの中にある、水晶体というレンズが濁る疾患です。濁りによって光が乱反射・拡散するため、網膜の上に正しくピントを結べなくなります。その結果、目に映る映像がぼやけたり滲んだりするため、視力が悪くなります。

白内障

白内障の症状

水晶体が濁ることで光が乱反射・拡散するため、白いモヤがかかったように見える、視界が白くピンボケして見える、視界がかすむ、乱反射することで光が眩しく感じる、二重に見えるなど、視力が下がったかのように感じます。また、元々近視だった方の場合、「近視がまた進んだのかな?」と思う傾向があります。さらに、眩しく感じたり見えにくくなったりすることで、以前よりも目が疲れやすくなります。
水晶体の濁りがかなり進むと、黒目の真ん中が白っぽく見えるようになります。

白内障の種類

白内障のほとんどは加齢によるものです。また、疾患や外傷などによって水晶体が濁るケースも存在します。

加齢性(老人性)白内障

何の問題もない水晶体は透明で、ラグビーボールのような形をしています。水晶体にはタンパク質が豊富に含まれており、水晶体嚢という透明な袋状の組織に包まれています。年を重ねながら日常生活を過ごしていくうちに、紫外線や赤外線などを浴び続けた結果、このタンパク質が徐々に酸化して白く濁っていきます。
加齢性白内障は、誰が発症してもおかしくない老化現象です。個人によりますが、早い方ですと40歳頃から始まっているとも言われています。80歳を超えると多くの方が白内障を患っていると報告されています。

若年性白内障

「若年性」と付いていますが、誰でもなり得る白内障です。糖尿病や他の眼科疾患、目の周りにできたアトピー性皮膚炎(患部を掻いたりすることで白内障になる)、ステロイド薬の全身投与、放射線治療など、発症原因は多岐にわたります。加齢性の白内障と比べて、白く濁る進行が速い傾向にあります。

外傷性白内障

「眼球にボールなどが当たる」「目に異物が刺さって、角膜も破って水晶体まで傷ついた」などの衝撃や刺激によって、白内障を発症するケースもあります。

先天性白内障

遺伝子の異常や子宮内の感染(風疹・トキソプラズマ・サイトメガロウイルスなど)によって、生まれつき水晶体が白く濁ってしまうこともあります。非常に稀で、めったに起こりません。

白内障の検査

白内障の有無はもちろん、その重症度、治療、手術などに関する情報を得るために、問診や検査などを実施します。白内障以外の疾患が隠れていないかもチェックします。

視力・眼圧・屈折・眼底検査

視力表視力・眼圧・屈折の検査は、眼科で行われる基本的な検査です。網膜やその周りの状態を調べるため、眼底検査も実施します。

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査

スリットランプ_700GL眼科用の特殊な顕微鏡を使用し、帯状の光から焦点を絞った光を照射し、水晶体の状態を細かくチェックする検査です。

角膜内皮細胞検査

スペキュラーマイクロスコープ専用の機械を用いて、角膜の透明性を維持する内皮細胞が濁ったり減ったりしていないかを調べる検査です。容態によっては白内障手術の実施が難しいこともあります。

眼軸長検査

眼軸長測定・手術ガイダンス ARGOS角膜から網膜までの距離を「眼軸長」と呼びます。この眼軸長を調べることで、近視などの度合いが分かります。度数が分かれば、水晶体の代わりとなる眼内レンズを選択することも可能になります。

光干渉断層計(OCT)

OCT近赤外光を使用して、眼球を断層的に解析する検査で、これにより炎症や黄斑変性、緑内障などの疾患の有無が分かります。また、新生血管が発生していないかを調べるのにも有効です。

白内障の治療法

一度濁った水晶体内のタンパク質を、元に戻すことはできません。これは、卵の白身を温めて白く固めた後、冷めても元の透明な状態に戻らない現象と一緒です。
そのため、専用の薬を使って進行スピードを遅らせるか、手術で白く濁った水晶体の中身を取り出した後に眼内レンズを挿入する方法が選択されます。

薬物療法

白内障の治療法濁りがそこまで進行しておらず、かつ視力への影響がまだ少ない初期でしたら。薬物療法を選択します。また、すぐに手術を受けるのが難しい場合でも、薬物療法を受けていただけるよう案内します。お薬は主に点眼薬があり、濁りの進行を遅らせるものをお出しします。しかし、症状は少しずつ進んでいくので、最終的には手術が必要になる可能性が高いです。

白内障手術

現在日本では、1年間の中で100万件以上もの白内障手術が実施されています。もちろん安全性が保証されている術式で行われているので、ご安心ください。
角膜を少し切開した後に、白く濁ってしまった水晶体を摘出します。その後に、透明な眼内レンズを入れていきます。点眼麻酔を行うので、手術による痛みもほとんど起こりません。濁り方の程度にもよりますが手術は5~10分程度で完了しますし、入院なしの日帰り手術で受けられます。

手術を受けるタイミング

加齢性白内障の発症時期やその度合いは、一人ひとり異なります。しかし、誰でも発症し得る、老化現象でもあるのです。初期段階で自覚症状が目立たない、日常生活で特に支障をきたしていないなどの場合は、薬で進行を抑えます。その状態でしたら、急いで手術を受けていただくことはありません。
しかし、放っておくと確実に進行します。現在の医学では残念なことに、一度濁った水晶体をもとの透明な状態にさせることはできません。元の視力を取り戻すには、手術が必須になります。手術を行うタイミングは、患者様のライフスタイルなどによって変わります。例えば、「頻繁にドライブをする」「スポーツをよくする」という方は、見えにくさが少しあるだけでも、かなり気になるかと思われます。そのため、少しでも初期症状が現れて日常生活に悪影響を及ぼしている場合は、早めに手術を受けるようにしましょう。
また、「仕事でパソコン作業が多い」「読書好き」などの場合は、文字やパソコン画面を集中して見られるように、多焦点眼内レンズも視野に入れて早期手術を受けていただくことをお勧めいたします。
ただし、他の眼科疾患も合併している方、目に影響を及ぼす全身疾患のある方などは、医師が判断してから手術日を調整することもあります。

白内障の流れ

まずは濁った水晶体を超音波で破砕し、乳化したものを吸い出す「超音波水晶体乳化吸引術」を行います。その後、水晶体の代わりとなる眼内レンズを入れていきますが、近年販売されている眼内レンズは、折りたたまれた状態で挿入し、眼内に入れた後にレンズの形へ開くという作りになっています。そのため小さな切開創を作るだけで、手術できるようになりました。

白内障手術の流れ

  1. 点眼麻酔を行います。黒目と白目の境目を、約2.4mm切開します。
  2. 水晶体を覆う袋である、水晶体嚢の前面を切開します。超音波を流す超音波プローブ(針のような器具)を差した後、水晶体を破砕・吸引します。
  3. 切開創から眼内レンズを入れます。
  4. 術後は、手術後の過ごし方などについて説明します。会計が終わりましたら、すぐにご帰宅いただけます。

切開創は自然と塞がるので、出血も起こりません。ただし、感染症のリスクは存在します。感染症を防ぐためにも、ご帰宅後は処方された点眼薬を医師の指示に従って、用法・用量を守って使用しましょう。見え方に慣れるまである程度の時間を要しますが、何かお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
なお、手術は基本的に片目ずつ施行しますが、お忙しい方のために1日で両目とも手術を受けていただけるプランもご用意しております。

眼内レンズの種類

眼内レンズは2種類あり、遠方または近方、もしくは中間のどれか1つにピントを合わせる「単焦点眼内レンズ」と、遠方や中間にも、そして近方にも光を振り分けることでピントを合わせる「多焦点眼内レンズ」などが分かれます。近年ではほとんどのレンズで、乱視矯正できる「トーリック眼内レンズ」も選べるようになりました。

単焦点眼内レンズ

1つの距離にピントが合うように作られたレンズです。ドライブなどをよくする方には遠方を、読書やパソコン作業、動画鑑賞などをよくする方は中間~近方などをお勧めします。このように、患者様のライフスタイルに合ったレンズを選択することが大切です。ただし、それ以外の距離のものを見る時は、眼鏡をかける必要があります。単焦点眼内レンズは健康保険の対象となります。

白内障手術の費用

単焦点眼内レンズを入れる白内障手術は、保険診療となります。

1割負担 約16,000円
3割負担 約49,000円

多焦点眼内レンズ

焦点距離が異なる特殊なレンズを使って光を振り分けることで、たった1枚のレンズでも遠方から近方までピントを合わせられるように作られたレンズです。日常生活を送る上で、眼鏡をかける時間がかなり軽減されるというメリットが得られます。昔は難しかった、乱視矯正が可能なレンズも登場しつつあります。また、多焦点眼内レンズは単焦点とは違い、保険診療ではありません。自費診療または選定療養になります

乱視矯正眼内レンズを
用いた白内障手術について

当院では、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術時の乱視矯正にも対応しています。一般的な白内障手術では、「乱視が残る」という問題があり、その場合は手術後でも眼鏡をかける必要がありました。乱視が残ると下記のような、ものが歪んで見えるようになります。

乱視矯正白内障手術

少しでも眼鏡をかける手間を軽減させ、患者様が快適な日常生活を過ごせるよう、当院では「乱視矯正眼内レンズを使った白内障手術」を積極的に実施しています。過去に他院で「乱視が強い」と指摘された方も、ぜひご相談ください。
ただし、強度乱視または不正乱視があると、手術が難しくなる可能性もあります。手術前には検査を必ず行い、適応されるかどうかを丁寧に説明します。

手術後の診察と
日常生活に関する質問

手術までに関する質問

手術日はいつ行われていますか?

手術は毎週木曜日に行っています。ご来院の時刻や手術終了後の送迎の時間などにつきましては、手術の日程が決まりましたら当院からご案内します。

手術日の確定から手術を受けるまでの間、何回ほど通院する必要がありますか?

その期間内には「手術前検査」と「手術前最終診療」を受けていただくため、合計2回受診していただきます。検査結果がかんばしくない場合は、3回ご来院いただくこともございます。また、検査を受けるには事前に予約する必要があります。手術前検査時に、手術のスケジュール表をお渡しするのでご確認ください。

手術までに準備することってありますか?

手術前に必要な点眼などを行っていただくことがあります。そのタイミングや内容は、当院からの案内に従ってください。ご自身で加入されている医療保険や手術給付金などにつきましては、お手数ですが各自ご確認ください。

一人暮らしです。誰か同居人がいないと、手術を受けるのは難しいでしょうか?

普段からご自身で日常生活からお薬など、一通りケアできていれば特に問題ありません。もし、通院や来院が難しい場合は、当院が提携している近隣の宿泊施設の宿泊手配や入院設備がそろっている高度医療機関へご紹介します。

近隣宿泊施設との提携?(ホテルエクセレント・ウェスティン)

手術当日、付き添い・お迎えの人は必要でしょうか?

手術後は炎症や散瞳状態のため見づらい可能性が高いです。そのためできる限り、お迎えの方と一緒にご来院いただくことをお勧めしています。もし一人暮らしなどで送迎が難しい場合は、帰り道にはお気をつけてご帰宅ください。また、受付でタクシーを呼ぶことも可能ですので、ご希望の方はぜひお気軽にお申し出ください。ご自身で自動車・自転車などを運転されてのご来院は避けてください。

手術内容に関する質問

手術はどれぐらいかかりますか?

手術自体は5~10分で完了しますが、事前の準備には1時間ほどかかります。術後はすぐにご帰宅いただけますが、ご希望の場合は院内でお休みいただいてから、ご帰宅いただくことも可能です。

手術ですが、痛くないか不安です。

点眼麻酔だけでも手術は受けられますが、当院では「痛みを最小限に抑えた治療」を心がけています。患者様が痛まないよう、必要に応じて眼内への麻酔も行っていますので、痛みはほとんど伴いません。

術後、眼帯は何日着けた方がいいのでしょうか?

当院では手術後、ガーゼを巻いた金属の眼帯を、手術当日~翌日の術後検査までの間に着けていただいています。手術しなかった方の目が見えない方は、プラスチック製のクリア眼帯を装着することも可能です。クリアになっているので、歩いてご帰宅いただくことも可能です。翌日の診察以降、外へ出かける際には保護用眼鏡の装着をお願いしています。
※手術内容や注意点などにつきましては、手術前検査時に医師から説明します。また、その時にお渡しするパンフレットにもまとめられていますので、手術前検査までにお読みください。

手術後に関する質問

手術後、痛くならないか心配です。

個人によりますが、術後の痛みは「チクチクする」「違和感がある」程度と極めて軽めです。我慢できないほどの痛みは起こりませんし、不安の方には痛み止めの薬を処方しますので、ご安心ください。

手術後、日常生活を送る上で気を付けた方がいいことってありますか?

下記の点について気を付けながらお過ごしください。

  • 手術翌日

首から下の入浴やシャワーは行っても問題ありません。ただし、洗髪と洗顔は避けて、濡れタオルで拭く程度に済ませてください。ただし、美容院で目にタオルをかけた後に、仰向けの姿勢で髪を洗ってもらうことは可能です。

  • 手術後から1週間

洗髪・洗顔を行っても問題ありません。ただし、目はきちんと閉じたままにして、目を圧迫させないように洗顔しましょう。 メイクは目の周辺は避けて、パウダー系以外の化粧品でしたら行えます。
飲酒を始めても問題ありません。

  • 手術後から1ヶ月

水泳、汗をかく運動を始めても問題ありません。

手術後、診察する日ってありますか?

手術の翌日と3日目、約1週間後には再度ご来院いただき、術後の検査や状態のチェックなどを受けていただきます。それ以降の検査は、医師の指示に従いましょう。
手術前検査時に、手術・術後のスケジュールに関する説明も行います。もしやむを得ない事情などで変更が難しいスケジュールが合った場合は、手術の日程変更などを考慮するので、お早めにご相談ください。