院長コラム

単焦点眼内レンズ

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 白内障手術で使う眼内レンズは、様々なメーカーから発売されており、多くの種類があります。
大きく分けて、一つの距離のみにピントを合わせる単焦点眼内レンズと、複数の距離にピントを合わせる多焦点眼内レンズの2種類があります。また多焦点眼内レンズの中にも、焦点距離が特定の複数の点に合う多焦点眼内レンズと、連続的に焦点を合わせることのできる焦点深度拡張型眼内レンズ、またそれぞれのレンズに対し、乱視矯正機能があるトーリックレンズがあります。

 

 白内障手術を成功させるためには、レンズの選択も大変重要です。それぞれのレンズに特徴があるため、一概にどれがいいということは難しく、高価なレンズが、どんな方にとっても最善の治療となるとは限りません。それぞれの患者さまのライフスタイルを聞いたうえで、どのような見え方を優先したいか、よく話を伺い、納得いくまで話し合うことが大切です。恵比寿くぼの眼科では、眼内レンズ選択に関しても、手術の経過計画を立てる際に一人一人丁寧にご説明し、それぞれの患者さまに合ったレンズ選択ができるよう、心がけております。

  •  今回は、当院で扱っている眼内レンズ※1のうち、保険診療で治療を行うことのできる、単焦点眼内レンズについて、取り上げたいと思います。(※1 2024年3月現在)

 

 

単焦点眼内レンズ

特徴

人間の水晶体は、その厚さを変化させることで見るものに焦点を合わせられますが、眼内レンズは、あらかじめレンズそのものにピントが合う距離である焦点距離を設定しており、その設定によっていくつかの種類があります。

 

          (Alcon HPより)

 

 単焦点眼内レンズは、その名の通り、ある1点の距離に焦点が合うレンズになります。目に入って眼内レンズを通るすべての光を1つの焦点に集めるため、ピントを合わせた距離のものが、非常にクリアに見え、見え方や色の質であるコントラストも非常に優れています。その一方で、焦点のあう距離が1点なので、それ以外の部分を見る際には、眼鏡が必要となります。例えば、遠距離に焦点が合うようなレンズを選ばれた方は、手元の距離を見る際には老眼鏡が、手元に焦点が合うようにレンズを選ばれた方は、遠方を見る際には近視用の眼鏡をかける必要があります。

           

            見え方のイメージ
           (Alcon HPより一部引用)

 

 選択することのできる焦点距離は、遠距離(焦点距離 5m~遠方)、中間距離(焦点距離 1m)、近方距離(焦点離 50cm)の3種類です。遠距離は運転時やスポーツなどをされる際に遠くのものが良く見やすく、中間距離は自宅の中でテレビ視聴やパソコン作業、お料理などをされる際にものが見やすい距離となります。近方距離は、ものを書いたり、本や新聞、スマートフォンで文字を読む際に良く見える距離となります。


                   (Alcon HPより)


 基本的にはそれまでの生活スタイルから大きく変化することが無いようにピントが合う距離をおすすめをさせて頂きますが、患者様のライフスタイルにより優先したい距離がそれぞれ異なりますので、よくお話を聞かせて頂いた上で選択することが重要です。

 

当院で使用している単焦点眼内レンズ

  •  当院で白内障手術に使用する単焦点の眼内レンズはアルコン社のClareon®眼内レンズになります。この眼内レンズは日本では2021年11月に発売された、新しい疎水性アクリル素材を使用している眼内レンズで、レンズの表面が滑らかで広域かつ鮮明な視覚を長期的に維持できるように設計されています。また、独自のエッジデザインにより、後発白内障を抑制し、眼内レンズの弱点であった、光の輪や半輪が見える異常光視症の軽減を実現している、大変優れた眼内レンズとなっております。
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                                            (Clareon®眼内レンズ Alcon HPより)
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  • また、当院では、このレンズを挿入する際に、自動プリロード眼内レンズデリバリーシステムのClareon® AutonoMe®というものを使用しています。これは眼内レンズを眼内に挿入する際に使う器具ですが、器具の中にあらかじめ眼内レンズが搭載された状態でパッキングされており、一回ごとにディスポーザブルで使用します。この自動デリバリーシステムを使用することで、挿入される際の患者様の眼の負担を軽減することができ、また眼内に挿入される瞬間まで無菌状態を保つことが可能なことから、感染症と炎症のリスクを低減につながるため、低侵襲で安全性に配慮した手術を行うことが可能となっています。

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                                                            (Alcon HPより)

 

単焦点レンズのメリット、デメリット

  • メリット
  •  ・保険診療で治療を行うことができる
  •  ・ピントを合わせた距離の見え方が非常にクリアで、見え方の質(色のコントラストなど)がよい
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  • デメリット
  •  ・特定のある1点にしか、焦点を合わせることができないため、日常生活において眼鏡の装用が必要になる

 

 

 

 またこちらにも白内障手術のレンズ選択に関して詳しく記載がございますので、ご参考ください。https://www.ebisu-ganka.com/cataract/

 恵比寿くぼの眼科では、丁寧な説明を心がけております。白内障手術に関して分からないことや、不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。